TPM上場企業インタビュー:南條 浩氏(グラントマト株式会社 代表取締役社長 )

インタビュー記事

TPM上場が、他企業にも良い影響を与えた

ー TPMへの上場おめでとうございます。上場が決まったとき、どのように感じられましたか?

実は、上場したときはあまり実感が湧かなかったんですよ。ただ、上場してしばらくして、反響がくるようになって、そこで実感が湧きました。

弊社は福島県に本社を置いていますが、福島県内でも、当社のやり方を見て「そういうやり方があるのか」と思った、とおっしゃる方も増えてました。弊社のJ−Adviserであるフィリップ証券に対しても、福島から何社か問い合わせがあったそうです。

福島県の他の企業にも影響を与えられたのですね。御社は主にどのような事業を展開されているのでしょうか?

弊社の一つのテーマが「農業」なのですが、作ることが農業だというイメージではなく、「農業=食糧」、すなわち、「消費者に食糧を提供するのが農業だ」という考え方が特徴です。

そこから遡っていって、農作物を作るにあたって農業生産資材や関連商品の提供をしたり、収穫したものをどのように流通させるのかという農産物の流通についても、一つ一つサポートさせていただいています。2022年時点で、従業員はパート・アルバイトを含めて400名ほどです。

東日本大震災の大きな困難を経験したことが、上場を目指すきっかけに

ー 株式市場の上場を目指したきっかけについて教えてください。

実は、今から20年くらい前にも一度「上場するぞ」と燃えた時期がありました。当時は売上が30億ほど、従業員数は7、80名くらいだったと思います。ただその頃は、調べれば調べるほど「うちにはまだ早い」という思いが強くなってしまって。要因はもう、全てです。ガバナンス全般において、とても上場できるような状態ではなかった。

それまでは、普通に企業経営をして税務会計をして税金を納めることが経営だと思っていました。しかし、上場するとなるとそれだけでは済みません。株主さんに株を持っていただくわけですから、株主さんの利益を損なわないようなシビアな経営ができなければ無理です。そこで、一度諦めました。

ー 再度上場を目指したきっかけは何だったのでしょうか?

きっかけは東日本大震災です。2011年の震災の後、なんとか私たちの会社は生き残ることができました。それだけではなくて、震災をきっかけに会社を拡大することができたんです。

当時、放射線汚染のおそれがあるからと福島には入ることもできなかった。それでも、私たちにはお客さまがいます。それで、必死になってとにかく物をかき集めて、商品を求めているお客さまに届け続けたのです。それが信頼となり、その後数年で売上が伸び、会社が拡大しました。

そこでほっと一息ついたときに、銀行を退職して弊社に金融機関対応を一手に引き受けてくれる千葉さんという方が入社してくださいました。その千葉さんとの出会いが、上場をもう一度目指すきっかけを与えてくれました。

今から7年ほど前ですが、あるとき千葉さんが私にこう言ったんです。「社長、本当は上場したいんじゃないの?」と。私の仕事のやり方なんかを見ていて、そういう風に感じられたみたいで。

ー 千葉さんのその言葉が、上場に向けて背中を押してくれたのですね。

そうですね。東日本大震災というものすごい困難を経験して、やっぱりそこで価値観が大きく変わって。それに加えて千葉さんからの言葉で後押しをされて、上場を目指そうと決めました。

そのときは、「上場を目指すなら、やっぱりちゃんとしなきゃダメだな」と改めて思いました。本当の意味での上場をしなくちゃいけないと、千葉さんと話すうちにどんどん気持ちが盛り上がってきたのです。

上場に向けての下地が整ったときに、TPMへの上場を決意

ー その時には、TPMへの上場も視野に入れていたのでしょうか?

いえいえ。全く頭にありませんでした。TPMのことを知ったのは、その1年後か2年後。七十七銀行の担当者の方が東証の担当者を連れてきてくれたんです。その時に東証の担当者の方から、TPMについて初めて聞きました。

ただ、その段階でも社内的にはマザーズかJASDAQへの上場を考えていました。TPMはプロ投資家向けの市場だから自由な売買がなかなかできないので、資金調達が他の市場と比べて難しそうだね、という話もその時に出ていて。

その後、東証の再編やいろいろな状況の変化がありました。そういった変化の中で「TPMに上場した方が、その後の動きが速い」という結論に至りました。

ー 東証も、TPMは他市場への入り口という位置づけをしていますね。実際にTPMに上場するまでには、どれくらいの時間がかかりましたか?

TPMに上場しようと決めてからは2年です。その前の段階で準備を進めていたので、そこは割とスムーズにいきました。

ー 具体的には、どのような準備を進められていたのでしょうか?

例えば、マザーズ目標の頃の監査法人から指導を受けて業務記述書で各事業所の在りようを明文化したり、社内の規程に関することなども整備を進めたりしていました。

そういった下地ができてからのTPMへの変更だったので、フィリップ証券が主幹事として入る頃には、具体的な指導に即対応できるような体制が整っていたのです。2年という比較的短期間で上場できたのは、この土台があったからです。

ー では、上場するにあたっては、そこまでご苦労はなかったのでしょうか?

いえいえ、とんでもない。N-2くらいまでは非常に苦労しました。弊社の場合、準備期間は会社の体質が徐々に変化していくときで。例えるなら、幼虫から蛹になるような時期だったんですね。その時期が終わった頃にTPMへの上場に変えたので、そこからは羽化するだけなので、TPMへの上場は結構順調にいった、というだけです。

ー 社内には、どのようなアナウンスをされましたか?

千葉さんと「上場するぞ」と決めてから、社内では店長会議や全社員向けの情報共有の場などで、上場すると言うことをベースに常に話をしてきました。ただ、社員の反応はそこまでなくて。「上場って何かメリットあるのかな?」というような反応でしたね。こちらとしても、「まあ、そんなものだろうな」と思っていました。

ー 上場が決まったときの社内の反応はいかがでしたか?

あまり変わらなかったと思います。ただ、上場前に私が持っていた株を社員に対して「買いたいなら買えますよ」というアナウンスをしていたんですが、上場が決まって初値が社内に公になったときには、「あのときもっと買っておけば良かったです。失敗しました」と皆言ってました。

上場から3ヶ月。今感じる、上場後の変化とは

ー 2月の上場から3ヶ月経ちますが、何か変化はありましたか?

世間の反応は全然違いますね。新聞にもものすごくたくさん取り上げていただきました。例えば東北地方有力地銀さんや東京商工リサーチさんとかからの取材がきたりして、その記事を目にした方が店舗に来て「すごいね、おたくの会社」言ってもらえるようになったり。そこで、店舗の従業員は「上場ってそういうことなんだ」と気づいたところがあるようです。

取り組みは上場前と変わっていませんが、こうして世間の評価が大きく変わったのと、取引先や金融機関の対応がかなり変化しました。融資によっては、金利が半分になったものもあります。やはり、上場企業という事で安心していただけるんだと思いますね。

ー J−Adviserとしてフィリップ証券を選ばれましたが、フィリップ証券についてはいかがでしたか?

対応がしっかりしているという印象があります。外資系なので、仕事の進め方が少し日本の会社とは違うところがあって、例えば発想が柔軟だったり、レスポンスが速かったりしました。フィリップ証券は、私たちくらいの規模の会社が上場するにはベストに近いのではないかと思います。

ー 今後の事業展開や目標を教えてください。

大きな目標としては、TPMを足がかりにスタンダードへの上場替えを考えています。もう一つは、農家の人たちがさらに儲かる仕組みを作りたい。消費者に支持されなければ儲けは絶対に出ないので、当然そこは農産物の流通に関わる話になってくるかと思うのですが、どうやって消費者の方に届けるかというところを今以上にレベルアップしたいと思っています。

それから、生産者が作った農作物の価値を消費者にしっかりと評価してもらえるような仕組みも作っていきたいですね。

ー これからTPMの上場を目指す経営者に、メッセージをお願いします。

やっぱり、下準備が重要だと感じます。福島の場合は、この下準備の段階で上場を諦めたという会社も多かったようです。

J―Adviserがついていれば上場できるわけではなくて、そこに至るまでに、どうやって会社の基盤を整えておくかということがとても重要です。そこができれば、上場までの2年間は割とスムーズに進むのではないでしょうか。下準備をコツコツやることが肝要だと感じています。

また、福島に限らず地方都市は経済基盤が弱いので、上場が強みになるというよりも、生き残るためには上場が必要なのだと感じます。

もはや、第二次産業で地方都市を豊かにするのはなかなか難しい時代です。昔のように、工場を地方に誘致して地方の経済を成り立たせよう、盛り上げようというモデルが通用しにくいからです。そうすると、今後地方企業が提供できる価値は水やエネルギー、農産物が重要な資源と私は考えています。

その中で地方が経済的に強化し企業が成長していくためには、上場して評価を上げ、東京をはじめとする大都市と物やサービス、お金を流通していくことが必要です。地方で成長しようと本気で思うのならば、上場は避けられないのではないか、とすら思っています。

ー 本日はありがとうございました。

※J-Adviser

一定の資格要件を満たし、資格を認証したJ-Adviserに対して特定業務(上場又は上場廃止に関する基準又は上場適格性要件に適合するかどうかの調査など)を委託します。J-Adviserは担当する上場会社に対して、上場前の上場適格性の調査確認や上場後の適時開示の助言・指導、上場維持要件の適合状況の調査を実施

JPX 日本取引所グループより引用

本記事をお読みになり、具体的にTPMの上場を考えたい、あるいはより具体的なTPMの内容を伺いたいという経営者のために、現在パワーコンテンツジャパン株式会社ではフィリップ証券株式会社執行役員脇本源一様との面談のお約束のお取次をしております。面談料は特にかかりませんが、近い将来TPMに上場を検討している(決定でなくても構いません)経営者に限り、無料で面談の機会をお作りさせていただきます。脇本様とのご面談をご希望の場合は、下記フォームにご記入の上、内容を送信してください。弊社担当社員より、お会いする日程の調整をさせていただければと思います。

※面談の場所は、Zoomを通じたオンライン面談、またはフィリップ証券株式会社(東京都中央区日本橋兜町)になります。ただし、すでにTPMに上場することをある程度決めている場合、あるいは他市場への上場を目指し準備を進めたのち、TPMへ市場変更を決めて準備を進めたい場合などには出張させていただくことも可能ですので、その旨送信フォームにご記入ください。
※アポイントのお取次は、経営者またはその企業の幹部の皆様に限ります。士業、コンサルタントとのお取次は致しませんので、予めご了承ください。
※パワーコンテンツジャパン株式会社は、フィリップ証券株式会社の正規紹介契約企業です。

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